07
1
2
4
5
7
8
9
11
12
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
   

遠い隔たりは風のよう

エンリーカ・ボナッコルティという女の子が書いた詩で、
創作なのか、男の子との本当の出来事なのかは
分かりません。
事実なら、エンリーカは、男の子に、
大した想いを寄せてはいなかった。

別れに際して ”遠い隔たりは風のよう、
小さな炎を吹き消して、大きな炎を燃え立たせる”
なんていうフラーゼを囁くあたり、
(大人の男性が言ったら気障ですね)
彼女は文学少女だったのでしょう。

しかし、別れてから一年のうちに
彼への想いが募った、ということで、
フレーズは彼女の中で実現してしまいました。

 ここからエンリーカの詩です。

私たちの会話は、どことも知れず、
遠くで鳴るサイレンの音に途切れた。
私を不安に駆り立てる、
この音を聞く度に怖かった。

私とあなたの上には、より深刻なことが起こるなどとは
思ってもみなかった。

見つめ合って、抱擁を望みながら、でも、
微笑みながら、いつもの道をあなたに寄り添うだけだった。
いつものように口づけして、やさしくあなたに囁いた、
“距離はね、風のようなもの、
小さな炎を吹き消して、大きな、
大きな炎を燃え立たせる“

遠い隔たりは風のよう、
真に愛していないなら、風が攫って(さらって)行ってしまう。
一年が経ち、私の心を燃え尽くす炎は、大火事となった。
私は強いと、忘れられると錯覚していた
でも今、あなたを想い出す、
想い出している。

遠い隔たりは風に似て、
真に愛していないなら想いを攫って行ってしまう、
一年経ち、
烈火の炎が私の命を燃え尽くす。

今、月日が流れ、
あなたの傍に行くため、
ほんのひと時、もう一度会うために。
あなたに“ごめんなさい”と詫びるため、
身を差し出したい。

真のあなたに気づかずに、それを
いたずらに捨ててしまった。

私の人生での、ただ一つの真実は、
私へのあなたの愛だったのに。

チャオ、アモーレ(愛する人)
泣かないで、きっと戻るから。
約束する、戻って来るって。
あなたを愛しているから。
愛してる、
チャオ、アモーレ。





Pfeifen 口笛

Pfeifen
Klavier und Geige, die ich wahrlich schätze,
Ich konnte mich mit ihnen kaum befassen;
Mir hat bis jetzt des Lebens rasche Hetze
Nur zu der Kunst des Pfeifens Zeit gelassen.

Zwar darf ich mich noch kein Meister nennen,
Lang ist die Kunst und kurz ist unser Leben.
Doch alle, die des Pfeifens Kunst nicht kennen,
Bedaure ich. Mir hat sie viel gegeben.

Drum hab ich längst mir innigst vorgenommen,
In dieser Kunst von Grad zu Grad zu reifen,
Und hoffe endlich noch dahin zu kommen,
Auf mich, auf euch, auf alle Welt zu pfeifen.
          Hermann Hesse

ピアノとヴァイオリンは私の真の宝だ、          
それらを修得することはできなかった;
慌ただしい今までの生活は         
私に口笛を吹く時間だけを持たせた。

勿論マイスターとは言えない、
私たちの生涯は短く芸術は長い、
しかし多くのものを与えてくれる口笛を
吹けない人たちを残念に思う。

それで、ずっと久しく口笛の芸術を
少しずつ熟達させようと熱く心に決めた。    
私は願っている、私と君たち、
世界中が口笛の匠になることを。


Pianoforte e violino, sono i veri miei tesori,
Ma non riuscivo a suonarli;
La vita frenetica mi ha consentito
Solo l'arte del fischio.

Certo che non mi chiamino un maestro,
L'arte è lungo e la nostra vita è breve,
Ma tutto ciò che mi rincresce
Chi non sa suonare il fischio, quello che ci da tante cose.

Così ho già chiarito ardentemente
Man mano divento un'esperto in questa arte,
Io spero, alla fine io, voi, e tutto il mondo
Giungano alla arte del fischio.

3月21日は詩の日です。
ヘッセの「口笛」を。
どうぞ口笛をヘッセと一緒に奏でてください。






母の日に

La mamma
La mamma non è più giovane
e ha già molti capelli
grigi: ma la sua voce è squillante
di ragazzetta e tutto in lei è chiaro
ed energico: il passo, il movimento,
lo sguardo, la parola

マンマ
 白髪の目立つお母さん:
 でも声は少女のように高く響き、
 万事率直で溌剌としている:
 足取りも動きも、
 眼差しも言葉も

    アーダ・ネグリ(1870~1945)
     作家、教師。社会主義、愛国者でした。
     Una vera donna 真の女性と評価されています。


La madre
La madre è un angelo che ci guarda
che ci insegna ad amare!
Ella riscalda le nostre dita, il nostro capo
fra le sue ginocchia, la nostra anima
nel suo cuore: ci dà il suo latte quando
siamo piccini, il suo pane quando
siamo grandi e la sua vita sempre.

お母さん
お母さんは私たちを見守り、
愛することを教えてくれる天使!
膝の上で指とおつむりを温めてくれる
心の中では私たちの魂を:
小さな時にはおっぱいをくれる、
大きくなったらパンを、
そしていつもいつもあなたの命を

   ヴィクトル・ユーゴー(1802~1885)
    フランスのマンゾーニと言われる文豪です。
    日本ではユーゴーの方がきっと有名ですね。
    「あゝ無情」でよく知られる作家、劇作家、詩人、
    随筆家、又、政治家、画家でもありました。


Meiner Mutter
Ich hatte dir so viel zu sagen,
Ich war zu lang im fremden Land,
Und doch warst du in all den Tagen
Die, die am besten mich verstand.
Nun da ich meine erste Gabe,
Die ich dir lange zugedacht,
In zagen Kinderhänden habe,
Hast du die Augen zugemacht.
Doch darf ich fühlen, wie beim Lesen
Mein Schmerz sich wunderlich vergißt,
Weil dein unsäglich gütig Wesen
Mit tausend Fäden um mich ist.

A mia madre
Tanto avevo da dirti
troppo a lungo fui in terra straniera
Eppure giorno dopo giorno
sei stata colei che meglio mi ha capito.

Ora che il mio primo dono
che da lungo a te ho destinato
ho nelle tiepide mani del bimbo
tu hai chiuso gli occhi.

Ma so che leggendo il mio dolore
meravigliosamente si lenisce
perchè il tuo essere tanto buono
mi avvolge con mille fili.

   Poesia di Hermann Hesse

お母さん
あなたに話したいことが山ほどあった
長い間、異国に生きていた私、
けれど来る日も来る日も
あなたは私を一番分かっていてくれた

あなたに上げようと長いこと
心に留めていた贈り物を今、
ためらう子供の手に持つ時に
あなたは眼を閉じてしまった

けれどこの詩集を読むと
不思議に苦しみが和らいで来る
譬えようのないあなたの温かさが
千の糸で私を包んでいるのだから

  ヘルマン・ヘッセ(1877~1962)
     ヘッセは初出版の詩をお母さんに
     贈りたかったのですね。




それから、これは日本の童謡を訳してみました。
何の歌か当てた方には、松の実とクルミ入りの
fior di latte(ミルクの華、粋)のアイスクリームをプレゼントします、
ということは全くありませんが、当ててください。

Elefantino, elefantino, tu hai un lungo naso,
Sì sì, anche la mia mamma ha il lungo naso.

Elefantino, elefantino, tu chi ami?
Ti dirò che amo, amo la mia mamma.






金子みすゞ ヘルマン・ヘッセ

  不思議

わたしは不思議でたまらない
黒い雲から降る雨が
銀に光っていることが

わたしは不思議でたまらない
青いクワの葉食べている
蚕が白くなることが

わたしは不思議でたまらない
たれもいじらぬ夕顔が
一人でパラリと開くのが

わたしは不思議でたまらない
たれに聞いても笑ってて
あたりまえだということが

   帆

港に着いた舟の帆は、
みんな古びて黒いのに、
はるかの沖をゆく舟は、
光かがやく白い帆ばかり。

はるかの沖の、あの舟は、
いつも、港へつかないで、
海とお空のさかひめばかり、
はるかに遠く行くんだよ。

かがやきながら、行くんだよ。


    Weiße Wolken (白い雲)
O Schau, sie schweben wieder
Wie leise Melodien
Vergessener schöner Lieder
Am blauen Himmel hin!

Kein Herz kann sie verstehen,
Dem nicht auf langer Fahrt
Ein Wissen von allem Wehen
Und Freuden des Wanderns ward.

Ich liebe die Weißen Losen
Wie Sonne, Meer und Wind,
Weil sie der Heimatlosen
Schwestern und Engel sind.

ご覧! 青い空の彼方に、
忘れられた美しい、
ほのかなメロディのように
又、浮かんで流れて行く

長い旅路をさすらった
悲しみと喜びを
知り尽くさなければ
あの雲の心は分からない

太陽と海、風、白く透明な
移ろいやすいものを私は愛する
彼らは故郷をなくした私の
姉妹、天使なのだから。

「帆」と「白い雲」、何となく似ているから
書いてみました。

海辺の町で育った金子みすゞは港に着く船、沖行く船を、
毎日のように目にしていたのでしょうね。
光り輝く白の帆掛け船は、港に着かず
海と空の境目を過ぎ去って行く。
はるか遠くに行くんだよ、
輝きながら行くんだよ。

詩人の心の中を白い帆が過ぎて行く。
ヘッセが流れ行く雲を懐かしく辿ったように。

金子みすゞ(1903~1930)
ヘッセ(1876~1962)
生きていた時代は被りますね。

https://www.youtube.com/watch?v=LkjDt3V76HE

金子みすゞは山口県長門市の人で、
安倍晋三総理と同郷です。

こちらはフィガロさんに、「フィガロの結婚」から
もう1つのアリア(カヴァティーナ)
Se vuol ballare Signor Contino,
https://www.youtube.com/watch?v=_i9H4HeiSGg

序曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=ikQNFqVkNNc



間違えました。安倍首相は東京で生まれて育った方でした。
ご祖父母様のどなたかが、長門市の方です。











 




おおきに

今朝、WEB産経ニュースのコラムを読みまして,
大分前にこんなことがあったのか、
と知りました。
阪神高速道路料金所での、
「まいど」 「おおきに」という言葉が、道路公団の
指示で禁止され、後にすぐに白紙撤回となった、

http://www.sankei.com/column/news/160302/clm1603020008-n1.html

MAIDO 「まいど」 はミラノとローマにこの屋号の
お好み焼きレストランというか、ストリートフード店が
あります。日本の言葉の代表格なので
名付けられたのでしょう。

”まいど” も ”おおきに” も私には馴染み深く、
”おおきに”に至ると憧れ止まない言葉です。
関西言葉は、萩もそうですけれど、穏やかで柔和で、
話し方自体が優しいですね。
奈良、京都弁は古来からの大和言葉を引き継いで
いるのではないですか。

何故この言葉を使用禁止にしたのか解せない所です。

それよりも一日本人の私には読めない、成田空港の
ハングル語を使用禁止して頂きたい。
安倍さん、お願いいたします。東京国際空港だから
舛添さん、お願い、になりますか。

サッカー・サポーターの応援言葉は、言葉での
ど突き合いだから、イタリアサッカー・サポーターの
言葉など、紙面に書くのはためらいます、というよりも
書けません。
それでも、某国でのサッカー試合中の横断幕よりは
マシではないですか。
これを何故にヘイトと騒がないのか、
不思議な国日本。

池田佳代子さんもそうですが、安倍さんに対してね、
一国の首相に、というよりも一個人に対して
失礼甚だしい。
何故、人権問題として大々的に騒がないのですかね。



続きを読む

プロフィール

Author:ミルティリおばさん
FC2ブログへようこそ!
イタリアに住むこと30と数年、
猫と2人暮らしのおばさんです。
翻訳フリーランサーです。
翻訳なさりたいテキストをお持ちの場合
メールにてお知らせください。
英語とドイツ語はネイティブ翻訳者との
コラボです。

2011年来、若かりし頃のジャッキー・チェンに夢中です!
お気が向いた時にいつでもいらして下さい。
お気付きの点があったらコメントして下さい。
あなたのお好きなことも自由に書き込んで下さいね!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

リンク

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR