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魚 さかな

朝焼小焼だ
大漁だ
大羽鰮の
大漁だ

浜は祭の
ようだけど
海のなかでは
何萬の
鰮のとむらい
するだろう

 海の魚はかわいそう 
 お米は人につくられる
 牛は牧場で飼われてる
 鯉もお池で麩をもらう

 けれども海のお魚は
 何にも世話にならないし
 いたずらひとつしないのに
 こうして私に食べられる

 ほんとに魚はかわいそう

魚市場界隈に部屋を借りていたムント君(生臭かったのでは
ないですかね)
ある日、町中をうろつき廻り、魚屋の魚に見入ります。
桶から引っ張り出された魚の苦痛にもがく口、
見開いたままの金色の目、静かに死を待つか、
あるものは、死を受け入れ難く絶望的に暴れている。
漁師も魚屋も値切る客も、この光景を見ないのか、
神秘な、優美な生き物が死を前にして怯える様を。

美しい生き物が目の前で死のうが、マイスターが人間の顔に
高貴さと、締め付けられる不安を刻もうが、それは彼等の
知ったことではない。

ゴルトムント自身が笑いながら、いつでも焼き魚を食べている。

Aber immer wieder hatte ihn, oft ganz plötzlich
wie durch Zauber, die Freude und Ruhe verlassen.
  しかし、いつも突然、魔法にかかり
  喜びと安らぎが去ってしまう。

「ペーター・カーメンチント」の中の雲の描写が美しいと言われて
いますが、「知と愛」の魚の描写も印象深いです。
といいますか、どの小説も詩人の目で描いています。

金子みすゞさんは、短い詩の中に詩情を凝縮させている。
少ない言葉数(語彙)でこれだけ人に詩心を、詩の魂を伝えている。

彼女もヘッセも類稀な詩人でしょう。

余談です、
高橋健二さんの「知と愛」を昨年こちらに持って来て、
読んでみましたら、わずかですがおかしな箇所に気が付きました。
「アンと花子」の村岡花子の訳が少々おかしい、という方もいますが、
さもありなんです。あの時代ですもの、
誤訳だと一言で切ってしまっては申し訳ないです。
翻訳の苦労は、凡人ながら良く知っています。
あの時代にあれだけ訳して下さった、感謝しています。
花子さんが生きていた、本人と周囲の事情はともかく(左翼ということに
なりますか)
翻訳に関しては偉業だったと言えましょう。

ともあれ、金子みすゞとヘッセは貴重な詩人です。
Secre

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Author:ミルティリおばさん
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猫と2人暮らしのおばさんです。
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2011年来、若かりし頃のジャッキー・チェンに夢中です!
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