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ナルチスとゴルトムント その3

ムント君の父さんは(領主に仕える地位の高い家臣なのでしょう)
母さんはある舞踊手(踊り子)でムント君を産んだ後に
どこかへ姿をくらましてしまいました。
父さんは逃げてしまった母さんの罪の償いを息子にさせようと
僧にするべく彼を修道院に連れて来ました。

穀物庫と水車小屋の間の道を通って帰って行く父さんの、
その姿が見えなくなるまで見送っていた
彼のブロンドの長い睫から涙がこぼれ落ちます。
といえばナルチスも長い睫をしていて、眼を半ば閉じると
黒目がちの瞳が睫に隠れてしまうのでした。
「ナルチス、私について語ってごらん。」ダニエル院長、
「それはご命令ですか?院長様」
ナルチスは瞼を上げて院長の目を見つめた。

泣いていたムント君は門衛さんから
「坊っちゃん、悲しむこたないよ、始めは家族を思い出すけど
ここでは楽しいことが結構あるんだから」と景気ずけられ
気を取り直し、馬小屋へ行って彼の馬、ブレスの首を抱き
語りかけます、「僕の可愛い、可愛いブレス!」

授業が既に始まっている教室に案内されると、
12人程の少年達に、彼といくつも年の違わない
びっくりする程若い教師が教えておりました。
「僕、ゴルトムントです。」
教師はにこりともせずに会釈して後方の席を指し示して、
すぐに又授業を続けます。
騎士風の所作をした、学者さんのような、王子様のような
若い教師。涼やかに、辺りをはらうような威厳のある彼の声。
授業内容はさっぱり解りませんでしたが、
その声に聞き惚れながら、旅の疲れもあって
ムント君は眠ってしまいました。
ゴルトムントとナルチスの出会いは、
ムント君の居眠りから始まります。


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Author:ミルティリおばさん
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猫と2人暮らしのおばさんです。
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2011年来、若かりし頃のジャッキー・チェンに夢中です!
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