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ナルチスとゴルトムント その4 

前回おばさんは間違えました。
ナルチスは黒目がちの瞳でなしに、黒っぽい色の瞳、眼
なのでありました。ですから髪も黒っぽいのでしょう。

ムント君の好きな人は2人、ダニエル院長と
助教師のナルチスです。ムント君の憧れはナルチスでした。
ナルチスのようになりたい、ナルチスを振り向かせたい、と
必死で学問に精を出したのですが勉強し過ぎで頭痛が
するのでした。ここはヘッセ自身と「車輪の下」の
ハンスに似ていますね。
悲しくなると馬小屋へ行って愛馬ブレスの首に
頭を押し付けるのでありました。

ナルチスは類稀な金の鳥が飛び込んで来たことを
察していたのですが性格上、気配に出さず、距離を
置いていたのでした。
冷たいナルチス、孤高のナルチス、高慢なナルチス。

ムント君は、でも仲間とよく遊んだりもしました。
競走、強盗ごっこ、ボール遊び、雪合戦など。

1年が過ぎた頃、悪友に誘われたムント君。
みんなが寝静まってから「村へ行こう」
悪友ではないけれど若い子がよくやりたがるでしょう。
ムント君、断れずにちょっと英雄気取りの仲間と一緒に
お出かけになりました。
勿論、修道院の戒律に反します。
村の娘(とある家のお手伝いさん)がお目当てで、
台所から入り込み、娘を囲んでお話する、
ただそれだけなんですけどね。
ムント君は美しいからモテちゃって、「又おいで、ムント君」と
唇に口づけされちゃって、かなりなインパクトだったせいか
よろめくように逃げて行き、翌朝になっても衝撃が続き、
ナルチス君の授業にも身が入らないどころか、病気のような
ショック状態。

冷たいナルチスはさすがに心配になって図書館に彼を呼び、
「どうしたの?」
答を待ちますが、ムント君は答えようとしても言葉にならずに
天使の彫刻が彫ってある書見台に頭をつけて泣き出してしまいました。
途方に暮れるナルチス君、泣き止むのを待っていましたが、
とうとう「Nun ja,今は泣きたまえ、アミーチェ、
それが1番いいのだから。」
アミーチェ(友よ)なんて訳文で書いてありましたがね、
ヘッセはここでラテン語のamicusの呼びかけ形amiceを
使っております。何故ここで気取ってアミーチェとするのかと
思っておりましたがamicus(友)はFreund(友)よりも
恋人の意味合いが強いのでした。

「立てるかい?さあ、病室へ行こう」と案内します。

快適なベットでスープと病人用の葡萄酒を召したムント君、
昨夜の出来事を又考えます。暗い夜、黒い水車の小川の上の
すべる道。柵を越えて窓から忍び込んだ台所、
少女の手の手触りと口づけ。
しかし今はそれよりもムント君に取って一層衝撃的なのは
ナルチスのこと。

ナルチスが僕の為に世話してくれた!
僕を愛している!
あの高貴で聡明なナルチスが。
あの人の何でも知っている目の前で恥ずかしげもなく
泣いてしまった!でも泣いたことはムント君の気持ちを
解放しました。
別の修道士さんがまだ穀物スープ、白パン、赤ワインを
持って来てくれました。眠りに落ちるムント君。

その少し後でドアが開きナルチスが入って来ます。
頬に赤みが指しよく眠っているゴルトムントを
ナルチスは愛と好奇心と少しの羨望を持って
しばらくじっと見つめていました。
「この子が、」って、君と年がそんなに違わないでしょう。
「この子が僕を必要とする時に少しでも助けたい。
助けて上げられた、僕が必要とする時には、その時が来たら
この子は僕を助けてくれるだろう。」
ナルチスはそっと病室を出ました。




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プロフィール

Author:ミルティリおばさん
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イタリアに住むこと30と数年、
猫と2人暮らしのおばさんです。
翻訳フリーランサーです。
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英語とドイツ語はネイティブ翻訳者との
コラボです。

2011年来、若かりし頃のジャッキー・チェンに夢中です!
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