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ナルチスとゴルトムント

「ナルチス!」 と声にならぬ声を上げたゴルトムント、
これはビックリ、生と死の狭間で、
神父を亡き者にして逃亡しよう、という
計画か崩れたばかりでなく、ナルチスとこんな所で
再開して・・・恥をかくなんて。いや、恥以上に
一瞬のうちに世界が変わってしまった!
世界が廻り出し、耳鳴りがし、胃が縮んだ。

ナルチスは平然と冷たい声で、
「そうだ、ゴルトムント、私は昔、ナルチスだったが、
その名はずっと前に止めてしまった。
君は忘れたのかもしれない。
私は僧職者となってから、ヨハネと名乗っている。」

本当は、本当は泣いて、ナルチスの胸の中に
倒れ込みたかったんだ。

昔、少年の頃に、手放しで泣いてしまった、
何でも知っているこの黒い眼の、この美しく
厳しい顔の前で。又、泣いても良いのだろうか、
崩れ倒れても良いのだろうか、
"Nein, nein, nein."
"NO, no, no." だけなんですけどね。
これが訳し難い。
高橋先生は、"否、否、否" です。
否、それは出来ない!

一所懸命見得張って持ちこたえ、
自制(自己抑制)した声で、
「でも君は、ぼくが前のようにナルチスと呼ぶことを
了承して欲しい。」

それでナルチスは、
「Nenne mich so, Lieber. Und willst du mir nicht
die Hand geben?」

 これは簡単なドイツ語でしょう?
 恐らく簡単に分かりますでしょ。
 ところが、ここでおばさんは、はたと迷うのです。
 何と訳そうかと。

Nenne mich so, Lieber.
 そう呼んでいいよ、 そう呼べよ、
 そう呼んでね、 そう呼んでも構わないよ、
 そう呼んだらいい、
どれもNenne mich so, には、しっくり来ない。

それで、高橋健二さんの訳文を仰ぎますと、
 「そう呼びたまえ、握手はしてくれないのかい?」
 と。さすが高橋先生、そう呼びたまえ、が一番
 いいですね。
Lieberというのは、イタリア語のCaro, 英語のDearで
これが又、日本語にし難いのよ。
高橋健二さんはLieberを端折ってしまって
 「そう呼びたまえ、握手はしてくれないのかい?」
と、ナルチスに言わせていますね。

続きは5,6時間後、日本の明日になってしまいます。

ゴルトムントは無関心であるかのように握手に応じず、
一生懸命、見得張って持ちこたえ、

Mit einem knaben-trotzigen und leicht spöttischen Ton,
ganz wie manchmal in den Schülerzeiten,
brachte er seine Antwort heraus.

 学童の頃に時折やったように、
 反抗的で嘲笑うような声を捻り出した。

「君は院長になったが、ぼくは相変わらず流浪者だ、」
ぼく達の会話は、もう続かない、1時間後には、ぼくは
絞首刑にかけられるんだ」

Narziß vorzog keine Miene. Das bißchen Knaben-
und Renommistentum in der Freundes Haltung machte
ihm großen Spaß und rührte ihn zugleich. Den Stolz
aber, der dahinterstand und der es Goldmund verbot,
ihm weinend an die Brust zu sinken, den verstand
und billigte er zuinnerst.

 ゴルトムントの少年のような無礼さは、ナルチスを
 大いに楽しませ、同時に感動させた。
 ゴルトムントの誇りが、彼の胸に泣き落ちるのを
 禁じているのだと深く理解した。


 

No title

いつも読んでます。
仏文専攻でした。独語は第2外国語でした。
高橋健二よりもおばさんの訳文がいいです。

Re: ようこそ!

Bienvenue sur mon site!
ヘッセの朋友、ペンフレンドのアンドレ・ジッドがHNとは!
卒論は「ナルシス論」 「一粒の麦もし死なずば」だったとか。

おばさんは高橋健二しか知らなくて。
兎に角、外国語を日本語にするのはねぇ・・・
その先は申しませんが。

又、お好きな時にコメントなさってくださいね。


No title

ミルティリーさん。

  今晩わ。先ほどは私の猫庭をお訪ねくださり、ありがとうございました。実は先日、もう一度コメントに挑戦いたしましたが、それはどうやら貴方の元へは届かなかったようです。機械オンチの自分なので、原因はサッパリ分かりません。

 さて、皇室のこと、皇后陛下につきましては、自分なりに確認しましたので、気持ちの区切りをつけましたが、皇太子ご夫妻、あるいは愛子さまにつきましては、他にいろいろ情報があり、迷わされております。確定した情報を得るまで、あまり自分のブログでは取り上げたくないという気持ちです。不敬とか不忠とか、それほどの勤王派でなく、一般国民としての敬意です。

 昭和天皇が靖国参拝を止められたのは、A級戦犯の合祀後でなく、それ以前のことだと言われております。愚相三木氏が「靖国参拝は私人として行った。」とマスコミに公言したため、公私の区分の無い天皇は、それ以後参拝を止められたということで、今上陛下が参拝されないのは、昭和天皇以来の慣行を守られているのか、皇后陛下の影響なのか、判然としておりません。

 いずれにいたしましても、次の板垣氏の話以後、しばらく皇室関係は敬して近づかずとします。

 今日は良い天気でしたから、バードバスの掃除をし、水を入れ替えました。早速四十から、ヤマガラ、メジロ、ヒヨがやってきて、水浴びしておりました。ちゃんと順番を守り、可愛い姿で小首をかしげたり、羽をふるわせたり、時間を忘れました。

 今年はもう、ご訪問はこれで終わりでしょうか。イタリアでも、年末は忙しいのでしょうか。イタリアの鳥も可愛いのだろうかなど、つまらないことをいろいろ考えつつ、終わりといたします。

Re: 今晩は。

早速ご訪問くださり有難うございます。
Onecat01さんから先日2つコメントが届き
1つは「管理者のみへの表示」となっていました。
それがご本位でないなら何らかの形でup致しましょうか?
1度「管理者のみ」とすると、その後の操作で
up出きるのかどうか。やってみますね。

天皇陛下の靖国神社参拝にはOnecat01さんが仰るような
経緯があったのですね。
しかし、英霊は天皇陛下万歳と、散って行きました。
そこは、あまり考えないのですか。
兎に角、国民のために働かないのなら、御皇室は
私個人に取っては不要です。

これ読んで御腹立ちの方には、ごめんなさいね。

人類誕生から数10万年、どんな経緯で天皇が誕生したのか、
1番興味を持つ所です。
まさか本気で神々の子孫とは誰も思ってないでしょう。

これ読んで御腹立ちの方には申し訳ありません。

100人100コメントなので。

Onecat01さんは、素晴らしく読書家ですね。
次にお書きになる宮内庁記者の記事も楽しみに待っています。

それから、貴ブログを拝読していてコメントしたかったのですが、
いくつか逃してしまいました。
お庭のこと。
お庭の水撒きに1時間かかるというのは、
とーっても広いお庭ですね!
友人宅の庭の水撒きを手伝ったことがあるから
よく分かります。

うちの猫は今、私の傍らで丸くなって寝ています。
メレンゲを焼いてみました。成功でした!
小鳥が美味しそうに食べているから、
成功かなぁ、と。
長くなってしまいます。又、書きます。
貴ブログへも挨拶に伺います。








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このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: すべてを了解いたしました


すべてを了解いたしました

ミルティリーさん。

「管理人のみ」という意味、良くわかりました。

天皇につきましては、もっとゆっくりと、静かに考えましょう。来年は、そんな歳になるような気がいたしますので・・・・。

庭は狭いのですが、ホースを引っ張ってやるので時間がかかるのです。いろいろ眺めたり、枯葉を拾ったり、道草を沢山食うので、そんな時間がかかるのです。広さなんて、まさに猫の額。可愛いもので、恥ずかしいくらいです


こちらはOnecat1さんからのコメントです。
水遣りにホースをご使用というのは、
やはり広い庭園ですよ。

シベリウスのピアノ曲

今晩わ
とても綺麗なピアノ曲でした。こんなに爽やかに、美しく、心を安らかにさせてくれるなんて、初めて知る曲でした。
ピアノ曲といえば、乙女の祈りと、エリーゼのためにしか知らない私ですが、シベリウスの名前も、今晩から記憶のひだに刻むことといたします。ありがとうございました。感謝いたします。

Re: ようこそ、お忙しい中を!

シベリウスの音楽でよく知られていますのが、
交響詩の「フィンランディア」かな、と思います。
帝政ロシヤの圧政に苦しめられていた、シベリウスの住む
フィンランド公国に独立運動が起こり、その頃に作曲されたのが、
「フィンランディア」なのだそうで、演奏禁止になったそうな。
ロシアは日露戦争で敗れ、ロシア革命で疲れ、1918年に
疲れたロシアからやっと独立して、フィンランド共和国になりました。
独立できたのは、ロシアを疲弊させたた日本のお陰もあるのかな、
それは分かりませんけれど。

「フィンランディア」もリンクしておきますね。
Onecat01さん、シベリウスのピアノ曲がお好き
というのは、音楽に敏感で、センスがおありです。
彼のピアノ曲は評価が高いです。
「エリーゼのために」と「乙女の祈り」はピアノを
勉強する女の子達の憧れの曲です!




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プロフィール

Author:ミルティリおばさん
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イタリアに住むこと30と数年、
猫と2人暮らしのおばさんです。
翻訳フリーランサーです。
翻訳なさりたいテキストをお持ちの場合
メールにてお知らせください。
英語とドイツ語はネイティブ翻訳者との
コラボです。

2011年来、若かりし頃のジャッキー・チェンに夢中です!
お気が向いた時にいつでもいらして下さい。
お気付きの点があったらコメントして下さい。
あなたのお好きなことも自由に書き込んで下さいね!

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