10
1
2
3
5
6
7
8
10
11
12
13
14
15
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
   

ナルチスとゴルトムント その7

「アリストテレスも熱があった時にはおかしな行動を
取っただろう、でも君は熱がなかった、だから
恥ずかしいんだね。何か奇妙な事が起きたのかい?」
「あなたが僕の聴罪司祭ということにします。」
ムント君は頭を垂れて村へ行った夜の出来事を
語り始めました。
ナルチスは笑いながら聞いていて、
「村へ行くことは確かに禁じられているけれど、多くの生徒が
やることだ、君がやってはいけないということもない。
そんなに重大なことなのかい?」
怒ったムント君、自制せず、「あなたは本当に学校の
先生のように話します。僕の良識を圧倒したのは
女の子だったんです。」
ナルチス「神への愛は善への愛ではない。あぁ、そんなに
そんなに単純なものなら!神は戒律の中にいるのではなく
それは神の小さな一部分だ。」
「僕のことが分かってない。」
「分かってるとも、女と性だろう、君が世界、罪と称しているのは。
他の罪は懺悔して償える。この罪だけはそれは出来ない。
エヴァと蛇の話は馬鹿げた童話だ、君は小さな修道院生で
司教でもなければ修道士でもない。美しい女の子の誘惑に
負けたとしても破る誓いは何もない。」
ムント君、興奮して叫びます。
「文書の誓いは何もない!もっと神聖な誓いは僕の中にあるんだ。
どうして分からないの?あなただって誓いの文書も叙階も何も
ないじゃないですか、でも女に触れることを自分に
許可しないでしょう?そうではないんですか?
僕と同じではないの?」
「同じではない。僕のいうことを、いつの日か思い出すだろう、
僕達の友情の目的は僕とは全く違う君を顕すことなんだ。」
ナルチスはきっぱり言うと黙り込んだ。

ナルチスは若く健康な少年の性の目覚めが何に遮られているのか
何にぶつかってうろたえているのか、あれこれ思い巡らす
のでありました。

ムント君は仲間から孤立してしまいました。
仲間が彼から見放されたように見えました。
ナルチスとの友情を誰も快い目で見ませんでした。
排他的な燃えるような友情を、意地悪な人達は
自然に反すること(つまり同性愛)として非難し
他の人達も疑い、誹謗中傷が駆け巡るのでありました。
聖書では確かにそれを禁じていますがね。しかし
修道院の人達は暇ですねぇ。誰が誰と仲良くしたって
いいではないですか。悪口言ってる時間があるなら
神に祈ったらどうですか。私の方が余程
聖なる生活を送ってますよ。

噂話はダニエル院長の耳にまで入りましたのですが
彼はその純粋さから少しも2人を疑いませんでした。
他の教師からもおぼえの良い優れた才能を持ったナルチスは
全ての生徒と等しく正しく接する教師でもありましたので
彼には何も反対することはなかったのでした。
人間観察に関して少々自惚れているナルチスが、
又いつもの如く、今回はゴルトムントに何か差し出がましい事を
言っているのではないかと思うのでありました。

 ※上記の中で修道院の悪口を申しましたが
  小説の中の修道院に悪口を言ったのです。
  クリスチャンの方はお気を悪くなさいませんように。
  もう生きてはおりませんが友人がカリメロ会の
  clausuraクラウズーラ(外出出来ない、面会人と金網越し
  でしか会えないシスター)でした。
  その日課、規律の厳格さはよく存知ております。






Secre

プロフィール

Author:ミルティリおばさん
FC2ブログへようこそ!
イタリアに住むこと30と数年、
猫と2人暮らしのおばさんです。
翻訳フリーランサーです。
翻訳なさりたいテキストをお持ちの場合
メールにてお知らせください。
英語とドイツ語はネイティブ翻訳者との
コラボです。

2011年来、若かりし頃のジャッキー・チェンに夢中です!
お気が向いた時にいつでもいらして下さい。
お気付きの点があったらコメントして下さい。
あなたのお好きなことも自由に書き込んで下さいね!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

リンク

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR