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ナルチスとゴルトムント 気を失って

数日前に図書館に行きまして、女性図書館員さんと
少しお話を致しまして「今、ブログで
Narciso e Boccadoroのことを書いている」と
言いましたら、彼女はsorriso arcano(謎めいた微笑)
を浮かべますので「あなたもあの本をご存じですか?」
と尋ねましたら、「それはもう、有名な本ですから」
と、なお神秘的に微笑みまして、私はそれ以上は何となく
質問出来ませんでした。
何故あんな風に笑ったんだろう?次回もう少し突っ込んでみます。

「向うへ行って!」とナルチスを仰天させたムント君は、
無意識のうちに人の来ない静かな片隅を探して、回廊、階段から中庭に
行き着きました。ナルチスはムント君を探して歩いたのですが
見当たりませんでした。明るい空に花壇の緑、薔薇の匂い、
石から発散する湿気っぽい新鮮な空気、回廊から中庭に
張り出しているアーチの下におりました。
それぞれの柱の上部には3匹の犬と狼がおり、
怖ろしい苦痛から「あの獣が僕を食べてしまうんだ、今、死ななければ
ならないんだ。」苦しみが限界に達して顔を胸に埋めて
気を失ってしまいました。

薔薇の匂いの大気を吸い込もうと中庭にやって来たダニエル院長が
板石の上に伸びているムント君を発見しました。驚いて少年を
持ち上げようとしますが如何せん重いので2人の若い修道士と
医に精通しているアンゼルム神父を呼びに行き、早速ナルチスを
探します。

ナルチスの話を聞いたダニエル院長、
「君のしたことは他人の魂への侵害だ、悪い結果になってしまった。」
ナルチスは自分を抑制しながら「結果は、」穏やかな声できっぱりと
言います、「まだ分かりません、院長様、僕達の会話は
彼のためになったと思います。」
「どんな操作を彼にしたんだね?」
「彼が知るよりも、より知っていることを彼に知らせたかったのです。」
ダニエル院長は肩をすくめ
「君の十八番だね、悪い事を引き起こさなければいいのだが。」
「彼は性の目覚めと戦っているのです。」
「17歳か?」
「18です。」
「遅いな。」
「それと母親のことを知らない、母親を恥じている様に見えます。
あの子は何から何まで母親譲りなのに。彼の語る父親は息子と
似ても似つかない。」
ダニエル院長は全ての出来事を厄介で苦しいものにしてしまう、
自惚れて学者ぶったナルチスとの会話を始めから内心では
微笑していました。
そしてゴルトムントのとりすました信用出来ない父親と彼の妻の話を
思い出していました。
ダニエル院長はこの時ほど、ナルチスがいやになったことはありません。
しかしながらこの思索家はよく言い当てた!

ナルチスはゴルトムントとの面会禁止を言い渡されました。

Narziß und Goldmund 全20章の中のまだ4章の終わりの方です。
小説を1ページで纏めようとすれば出来ますのでしょうが、
おばさんはこの作品にご執心でありましてナルチスとゴルトムントの
鼓動を再び一緒に感じてみたくこの長さになってしまいました。
この言葉、この表現は切ってしまえない、と思いつつ泣く泣く
端折った所が大分あります。言い換えますとそれ程ヘッセの文章、
文脈に無駄がないのです。
読んでいらっしゃらない方はどうぞ、ご一読を。
図書館、あるいはお友達にお借りして。文庫本ですとそれ程高くは
ないでしょう。

主人公が若い場合が多いせいか、青春文学と言われていますが、
それで終わりにしてしまうのは勿体ないです。好みもありますのですが
抒情詩的であり、劇的でもありまして、
流れる様な文体で巧みに物語を織って行きます。
「ゲルトルート」(春の嵐)「アッシジのフランチェスコ」、
「シッダールタ」などもホーと感心してしまいます、と言うと
おこがましいですね。唸ってしまいます。

今日はこれにて失礼致します。





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Author:ミルティリおばさん
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猫と2人暮らしのおばさんです。
翻訳フリーランサーです。
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2011年来、若かりし頃のジャッキー・チェンに夢中です!
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