06
1
2
4
5
6
8
9
11
12
13
14
15
16
18
19
20
23
24
25
27
28
30
   

ナルチスとゴルトムント

医務室に運ばれたムント君、まだ意識不明の
ムント君の枕元にはアンゼルム神父が
あれこれ心配しています。
「こんなに健康で無垢な子をこんな目に遭わせた
罪の一端はきっとあのナルチスだ、早熟で、
ギリシャ語を世界で一番と崇めている小癪な
あのナルチスが!」

院長も心配してやって来ました。
若く純真なムント君の顔を覗き込み
「容態が悪くなったら夜中でも知らせるように」と
アンゼルム神父に任せて部屋を出ました。
(あの子をよく知っているのはナルチスだけだ。
私のゴルトムントへのやり方は正しかったのだろうか?
あの見習い僧は悪事を隠そうともしない。
彼は異教徒なのだろうか?)

暗闇の中でムント君の意識が戻りました。
ここはどこなのだろう、
遠くに何か光るものがある、
又、眠りに落ちました。

そして又、目を覚ました時に輝きが母となって
見えました。同時に「君は幼年時代を忘れてしまっている。」
と声が聞こえました。それはナルチスの声。
思い出の瓦礫の山と忘却の海から母が現われました。
「あぁ、お母さん、お母さん、」
言葉で言えない程愛する母。

ムント君が動く気配を感じて長椅子でうたた寝していた
アンゼルム神父が目を覚ましました。
「誰?」
「私だ、怖がることはないよ。灯りをつけよう。」
つるした小さなランプに火を灯すと、神父の皴だらけの
優しげな顔が映りました。
「どんな具合だね?」
「疲れています。」
「さ、これをお飲み、暖かい葡萄酒だ、私達の友情に君と乾杯だ。」
「有難う、アンゼルム神父様。」
「さて、もう1杯、夜中に隠れて飲む秘薬だよ。これもお飲み」
肉桂と丁子と砂糖で暖めた葡萄酒でした。
病室のベッドでほの明るいランプは大変心地良いものでした。

神父は小噺を1つして、明日又来ると言って眠りに行きました。
ムント君はまだ暫く目覚めていました。
心の底から聞こえて来る友の声、湧き上がる母の面影。
又呼んでみます、お母さん。

アンゼルム神父の登場で連想しますのが
1955年のスペイン映画「汚れなき悪戯」
(Marcelino pan y vino)
(Marcellino pane e vino) 
原題名が「マルセリーノ パンと葡萄酒)です。
聖マルチェッロの日にフランチェスコ会修道院の前に
捨てられていた生まれたばかりの男の子を12人の修道士さんが
育てます。可愛らしく育ってなかなかいたずら者です、

と書いていますと長くなりますので又続きを書きます。
次回に引っ張ってしまうみたいなのですが、この辺りどうも
私はまだ手際が悪いですね。
Secre

プロフィール

Author:ミルティリおばさん
FC2ブログへようこそ!
イタリアに住むこと30と数年、
猫と2人暮らしのおばさんです。
翻訳フリーランサーです。
翻訳なさりたいテキストをお持ちの場合
メールにてお知らせください。
英語とドイツ語はネイティブ翻訳者との
コラボです。

2011年来、若かりし頃のジャッキー・チェンに夢中です!
お気が向いた時にいつでもいらして下さい。
お気付きの点があったらコメントして下さい。
あなたのお好きなことも自由に書き込んで下さいね!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

リンク

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR