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ナルチスとゴルトムント 森の中

ゴルトムントは夢現でリーゼが髪を結っているのを
見ました。「もう起きたの?」彼女は驚いて
振り向きました。「起こしたくなかった」
「君と一緒に行きたい。」
「それは駄目よ、私には夫がいて夜中ずっと
帰らなかったのよ、夫は私を叩くわ。」
ゴルトムントはナルチスの言葉を思い出しました。
-その女との道のりは短いよ。
リーゼの手を掴んで、
「僕が眠っている間にさようならも言わずに
行ってしまうの?」
夫に叩かれるのは仕方ないけど、あんたに叩かれるのは
いやだったの。」
「僕は君をはたきはしない、今日もそして決して。」
リーゼは手を振りほどいて「だめよ、だめ!」と
叫んで泣きながら行ってしまいました。

ゴルトムントは彼女に捨てられ呆気に取られ
ぼんやりしていました。
まだ疲れていたので太陽が高く暑くなるまで
眠りました。
小川で身体を洗い水を飲みました。
夕べのことを思い出します。
見知らぬ黒髪の女は彼を花開かせ、燃える望みを鎮め
目覚めさせたのでした。

乾いた5月の野と、こんもりした森を歩き始めました。
その歩みはもとに戻るのではなく大きな世界へと
続くのでありました。限りない青と緑、
大きな宇宙の中で兎のように、虫のように小さな彼。
起床、礼拝、授業、食事の時間毎の鐘はもう、
聞こえません。

「何てお腹が空いたろう!」
麦畑の麦の穂が9分通り実っていたので殻を剥いて
貪り食べました。熟し切らない胡桃の殻を歯で割って
食べた後、ポケットに納めました。

松林がオークの木(樫、楢)とトネリコに中断され、
森林が始まりました。ブルーベリーを見つけて
沢山食べ、体力を回復しました。
ホタルブクロが草の間に咲き黒い蝶が気まぐれに
舞っています。こんな森には聖ゲノフェーファ、
(Santa Genoveffa, Genevieve)
が住んでいるのでしょう。ゲノフェーファは
 5世紀に生きたフランスの女性の聖人、長い間、森に隠者
 となって住みました。パリと警察の守護聖人。

誰かと遇いたいムント君、でも森林は今日も明日も
まだまだ続くことを知っていました。
成り行き任せで歩くばかりです。

啄木鳥がどこかで木を打っています。
やっとその姿を見つけ長い間観察しました。
動物達と話が出来たら、啄木鳥君を呼んで、優しい言葉を
かけて木々と森の生活、彼の仕事の話を聞けるのに。
啄木鳥に変身出きるなら!
啄木鳥が木を打つ音は何と優しく生気があるのだろう!
 



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プロフィール

Author:ミルティリおばさん
FC2ブログへようこそ!
イタリアに住むこと30と数年、
猫と2人暮らしのおばさんです。
翻訳フリーランサーです。
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メールにてお知らせください。
英語とドイツ語はネイティブ翻訳者との
コラボです。

2011年来、若かりし頃のジャッキー・チェンに夢中です!
お気が向いた時にいつでもいらして下さい。
お気付きの点があったらコメントして下さい。
あなたのお好きなことも自由に書き込んで下さいね!

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