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ナルチスとゴルトムント リディア 3

毎日、彼等は秘密の時間を見つけました。
ゴルトムントは全てリディアのなすがままに任せました。
少女の愛は名伏し難く幸せに、感動させました。
ある時は何も語らず1時間程彼の眼を見つめたきり。
ある時は飽く事を知らずにキスに身を任せ、
しかし触れさせることは決してしなかった。
1度、ゴルトムントを喜ばせたい一心で、真っ赤になって
衣服から片方の乳房を取り出しました。
ゴルトムントは跪き、恭しく乳房に口づけしました。
髪の生え際まで赤くなりながら彼女は丁寧に衣服の中に
しまいこみました。
この場面はエロティックではなしに愛が精神化されていて
きれいですよね。子供心に魅かれるものがありました。
今、こういう愛のシーンを探すのは困難です。
私が知らないだけかしら。

今まで女性達から望まれただけだった、
でも今は愛されていると自覚するムント君でした。

2人であだ名を付け合って呼んだりします。
彼女は幼い頃のことをよくムント君にお話しました。
ある日、彼女の言うことに、
「あなたはとても美しくて穏やかだけれど、あなたの眼には
悲しみだけがある。幸せが存在しないかのように。
美しくて愛するものは長く私のもとには留まらない。
あなたの瞳が悲しいのは故郷を持たないからではないかしら、
あなたは森からやって来て又森に帰る・・・
私の故郷はどこかしら?家があって父も妹もいるけれど
本当の故郷を知らないの。」
ムント君は彼女が話すに任せ、笑いながら、困惑しながら
聞いていました。

「普通の人生を送らないあなたにこれから何が起きるのか
知りたいの。夢幻と表現を持っているあなたのような人は
詩人にならなければならないわ。あなたは世界を巡って
全ての女性に愛されるでしょう。でも、あなたはいつも
一人ぼっちだわ、あなたがよくお話している修道院のお友達の
所にお戻りなさい。あなたが1人で森の中で死ぬのはいやだわ。」

ぼんやり遠くを見るような眼で、真面目に話し、
でもムント君と一緒に笑い、
秋の深まった田園で2人は馬を駆るのでした。
おどけた謎かけをして、枯葉や輝く樫の実を彼に浴びせかけたり
するのでした。

ある晩にベッドの中で甘く苦しい愛と悲しみが心にあふれて、
動悸が強く胸を打ちました。木枯らしが屋根を揺すっています。
毎晩唱えている聖母賛歌を今晩も唱えてみるのでした。
さすが元修道院生のムント君。

Tota pulchra es Maria,
et machla originalis non est in te
Tu laetitia Israel,
Tu advocata peccatorum!

これ、カトリックの方には耳慣れたラテン語の聖母讃歌の祈りで
合唱曲としても作曲されていますがな。
私も教会の合唱団で前、歌ってました。クリスチャンでもないのに。
音楽会の後のおやつや夕食が楽しみで歌っていたわけではないんですよ。

  清らかなマリアよ、
  罪の穢れなし
  汝、イスラエルの喜びよ
  汝、罪びとの護り手よ!

穏やかな音楽と共にマリア讃歌が心に入り込みました。
外では11月の風が森を吹き抜け
安らぎのない放浪者の歌を歌っています。


No title

こんにちは。

リディアって感性や直感的なところがムント君に似てますよね。
ユーリエより年上という事もあって寛容だし、愛情深いし。
ムント君も清らかな彼女を敬って接してるし。

この様な清らかな恋愛表現は、昨今のドラマや小説ではついぞ見かけません。それだけ、この作品が特異だからなんでしょうか?
清らかかどうか分かりませんが、オペラ「アイーダ」は愛の本質を語っていると思います。

ムント君が初めて恋愛の幸福と悲しみを感じて悶々としている所を見て、姉か母親の心境になってしまいました。


さて、「Tota pulchra es Maria」の合唱曲をさっそくYouTubeで聴いてみました。この曲でしょうか?(先頭にhを省いてます)

ttp://www.youtube.com/watch?feature=fvwp&NR=1&v=a313qolybTk


賛美歌として歌われる短い曲も聞いたところ、短調の物悲しいく暗い曲という印象が、合唱曲となると違ってくるのが不思議です!
これとは違う、他に有名な演奏がありますでしょうか?
ミルティリさん、もしご存知だったら教えてくださいませ。

ミルティリさんと同じ様に、私もクリスチャンではないのに、東京は麹町の聖イグナチオ協会のクリスマスミサにコーラスとして参加した事があります。歌の先生経由で参加したのでした。
私は、教会で賛美歌を初めて聞いたとき、こんな美しい世界にずっといたいと思いました。

賛美歌を口ずさむ場面で、ムント君も、この時期までは美しい世界にいたんだと思いました。少なくともこの時期までは、ムント君の心に神様が寄り添っていたんだと思いました。
Secre

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Author:ミルティリおばさん
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2011年来、若かりし頃のジャッキー・チェンに夢中です!
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