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ナルチスとゴルトムント 新しい町へ

放浪生活2年のうちにゴルトムントは流離いの喜びと
苦しみを深く知りました。
寒さと恐怖、ヴィクトルとの格闘、飢えと精神錯乱、
全て過ぎ去り、恐ろしくて貴重なもの、言葉では
言い表わせないものが残りました。何かが崩壊したけれど
忘れられませんでした。
1番不思議に思えたのは死から身を守ったことでした。
死との究極の戦いは美しく恐ろしかった。
ヴィクトルからどれだけ血が流れただろう!
自分の周りでも死が待ち伏せしていた。嵐のような高揚と
苦痛とで身を守った。この後、これ以上に大きな体験は
ありませんでした。誰にも話せなかった。
話したくなかった。ナルチス以外には。

藁の中で気付きました、リディアからの贈り物の
1ドゥカーテンがない! ムント君はお金の価値を
知りませんでした。でもそれは最後に残ったリディアからの
贈り物で、これを失くすのは残念でした。
色々考えた挙句に農婦のクリスティーネに尋ねました。
「金貨を1枚持っていたんだ、どこかに行ってしまった。」
「あぁ、気付いたの?」彼女は抜け目のない、
愛情のある微笑を向けて、「奇妙な男の子だね、頭が良くって
上品なのにお馬鹿さんね、1ドゥカーテンを開いたままの
ポケットに入れて歩き廻るのかい、金貨は私がここで
見つけたよ、探してごらん」 随分探した後で、やっと
上着の一角が丈夫に縫い合わせてあることに気がつきました。
1ドゥカーテンに加えてかなりなお金が入っていました。

彼女は新月になり天気が穏やかになるまで待てと言いましたが
ゴルトムントは深く感謝して再出発しました。

湿っぽい空気に雪が解け、上に行くと南風が吹くのを
聞きました。

氷が川の流れを下に押しやり、枯葉の下でスミレが匂います。
森と山ともやの間を飽く事なく彼は彷徨います、村から村へ、
農家から農家へ、女から女へと歩き続けます。
でも窓から漏れる灯りを見て悲しくなる彼。あの明るい灯は、
家庭の暖かさと平和はもうぼくには届かないものなんだ・・・

ブナの木がまばらにある森、柔らかな森に入りました。
山の頂上から眺めると新しい景色が広がり、
陽気さが眼と心に広がります。谷があり大きな川が光り、
荒野、道なき道に続く道、森と孤独、小さな村、まばらな
農家が終わったことをムント君は知りました。
眼下には川が流れ、ドイツで最も名高い美しい道が通り、
肥沃な豊かな地方がある、川には筏や大きな船が浮かび、
美しい村、城、修道院、豊かな町へ運んで行く。

突然消えてしまう森林と湿原の中の道ではなしに安心して
旅が出きる道でした。新しい事が訪れる予感にムント君は
陽気になりました。

おばさんはこの川はライン河でケルンへと続く道だと、
長いこと思ってましたが、ドイツで1番名高い道というと
ロマンチック街道になりますか、こちらはマイン河、
ドナウ川沿いということになりますね。ローマ人御用達、
そして司教の町、と言っても沢山ありますので、ヘッセは
どの町を念頭においていたのでしょう。
まあ、どの町でもドイツの町は美しいですね。
と、ドイツばかり誉めるのは何ですから、
フランスもオランダもギリシャもとても美しいですね。




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プロフィール

Author:ミルティリおばさん
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イタリアに住むこと30と数年、
猫と2人暮らしのおばさんです。
翻訳フリーランサーです。
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英語とドイツ語はネイティブ翻訳者との
コラボです。

2011年来、若かりし頃のジャッキー・チェンに夢中です!
お気が向いた時にいつでもいらして下さい。
お気付きの点があったらコメントして下さい。
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