2021.05.21
コーヒー・カンタータ
昨年の秋に、コーヒーの香りが電波に乗って流れて来るような、
美味しそうな、沢山のコーヒー・コメントをいただきました。
それで、今日はコーヒーが主役の、
バッハの「コーヒー・カンタータ」を行ってみますね。
先ずはコーヒーの歴史から;
コーヒーの語源はアラビア語でqahā (in arabo: قها, "mancanza di fame")が、
Qahwahとなり、トルコ・オットマーナ語kahve カーベとなりました。
10世紀の頃に自然発生していたコーヒーをエチオピア人が発見!
コーヒーの伝説;エチオピアのKaldiというヤギ飼いが、ある日、
コーヒーの木を見つけ、
ヤギたちがコーヒーの実と葉を齧り食べ始めました。
夜になりヤギたちは眠る時刻になっても、眠るどころか、
生き生きとエネルギッシュに辺りをさまよい始めました。
山羊飼いは、これはコーヒーの木のためだと、
この実を焼いて砕き、蒸して飲み始めたのがコーヒーの始まりだ、
という伝説だそうです。
エチオピア人、そしてペルシア人、イエメン人も飲み始めました。
より良い品質のコーヒーはイエメンのMokha と推測されます。
15世紀にはダマスカス、カイロ、イスタンブールにまで普及しました。
トルコを旅したフランシス・ベーコンがコーヒー屋さん(カフェ)に座って、
コーヒーを飲むトルコ人たちを記しています。
ヨーロッパにも広まったコーヒーの木が植えられたのは、
ドイツの植物学者によって最初でした。
コーヒーは、しかし亜熱帯地域でなければ良く育たなかったでしょうね。
イタリア、ヨーロッパに広く普及させたのは、
中近東地域とビジネス関係を結んでいたヴェネツィア共和国です。
1645年に、コーヒー・ショップ、カフェが、
初めてヴェネツィアに生まれました。
1651年、イギリスで輸入が始まったコーヒー、
コーヒーハウスは59軒から始まり、
1715年には何とロンドンだけで3000軒以上に増えました。
当時、ロンドン、パリではコーヒー一杯が40スクーディだったそうです。
最初のコーヒー・プランテーション(大量栽培)で
有名なブラジルは複雑な国で、先ず、
ポルトガルの植民地でしたが、
スペインがポルトガルを併合してブラジルはスペイン領となりました。
オランダもブラジルの1地域を領有しましたが、
ポルトガルが独立を回復し、全地域を奮回しました。
ですから、彼らの言葉は今日でもポルトガル語ですね。
18世紀前半には、大変なスピードで、
栽培が中央アメリカ、南アメリカ大陸に広まって行ったのです。
コーヒーの木で有名なのは、
アラビカ、ロブスタ、リベリカ、エクセルサなどですね。
ここまで、知識のお披露目、半可通、
知ったかブログになってしまいました。
田辺聖子がエッセイの中で、
「知識があるというのは決して偉いこと、秀でたことではない。
知識は本によって、誰かによって得たもので、
生まれた時から知っていたわけではない。
知識、知に対して謙虚であるべきだ」
これはその通りと、共鳴いたします。
で、まだ″知ったか″が続きます。
広く、奥深い知識は個人的にお調べください。
14世紀フィレンツェから始まり西欧世界に広まった、
ギリシャ、ローマの古典文化復興運動は、ルネッサンスと言われ、
神の視点から人間の視点へ。
16世紀、バロック時代まで続きます。
簡素だったルネッサンス様式とは反対に絢爛豪華で、
金や色大理石をふんだんに使い、曲線美が特徴のバロック様式。
やはりイタリア・ローマ誕生ということで、
有名どころはボロミーニという建築家、それからベルニーニ。
ベルニーニのローマのモンテチトーリオ宮殿が代表建築ですね。
絵画のカラヴァッジョが当時の代表的画家です。
音楽に於いてはバロック時代と認定されるのは、
ヴェネツィアのヴィヴァルディで、
彼はヴァイオリンの名手でしたが、
チェンバロはバロック時代の主要な楽器です。
ヴィヴァルディも勿論、バロック代表選手なのですが、
バロックといいますと何と言ってもJ.S.バッハでしょう。
ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685~1750)
彼は、カッチーニやカリッシミ、フレスコバルディなどの音楽を集結、
単に纏め上げただけとも言われたりしますが、
精神の深さでは他の追随を許さない、と明言します。
(他のバロック作曲家も素晴らしいとは感嘆しています)
バッハは「俺はバロック時代の音楽を書いている」
とは思わなかったでしょう。
バロック時代という言葉は後世の人々が位置づけて
名付けた言葉だから。
バロック音楽は1600年ごろから1750年まで、
J.S.バッハの昇天まで続きます。
バロック音楽の最高峰バッハが、
″音楽の父″と謂われるのは他の理由からですが、
ここでは、世俗カンタータの、
「Kaffeekantate」 Caffè Cantata コーヒー・カンタータを。
バッハもコーヒーが大好きでした!
取り合えず、コーヒーカンタータをリンクいたします。
カンタータは本来、演技なしですが、
このコーヒーカンタータは現代風アレンジのもと、演技しています。
Bach - Kaffeekantate: Schweigt stille, plaudert nicht BWV 211 - Sato | Netherlands Bach Society
訳したり説明(お喋り)したりは、後ほどになりますのですが、
悪しからず。
カンタータのことなど;
カンタータを遡るとマドリガーレに行き着きます。
アレッサンドロ・グランディという音楽家が、1620年に、
独唱と通奏低音の曲を作り、カンターデとし、
中世マドリガーレ、ルネッサンスマドリガーレは17世紀に入って
カンタータに取って代わられました。
Cantare 歌う、ですね。Cantare→ Cantata
後に、ボロンチーニという人が、
室内カンタータなんてのを作りまして、
アリア、レチタティーヴォ、重唱、合唱に
様々な楽器による伴奏付けがされて、
賑やかになりました。
ドイツでは教会カンタータが発展しました。
通奏低音(ゲネラルバス)は、バロック音楽の重要な役割を果たします。
高音部を支える「低音の魅力」を、
この頃から既に作曲家は感じ取っていたのでしょうね。
通奏低音は主にヴィオラ・ダ・ガンバ(足で抱えてチェロのように弾く)で
演奏され、その後、チェロで奏されます。
この動画はチェロでの通奏低音です。
バロック時代の日本をちょっと覗いて見ましょうか。
バロック時代が始まる1600年(頃)
1603年、日本では戦国時代で、関ケ原の戦いが終わり、
徳川征夷大将軍家康が江戸に幕府を開いた頃です。
バッハ生まれたのは、1685年、
日本では、
1680年から始まる綱吉将軍の時代ですね。
動物を愛した綱吉将軍は、
1687年に生類憐みの令を発令しました。
その後、吉宗、家重将軍と続きます。
コーヒーカンタータが作られた時代は1732~1733年
1732年は享保の大飢饉の、悲しい年ですが、
1733年には杉田玄白が生まれました。
ザッと見渡しますと、
バッハの生きた時代には、日本では元禄文化が隆盛で、
井原西鶴、1689年に松尾芭蕉、「奥の細道」の完成、
近松門左衛門「曾根崎心中」を著わすなど、
芸術家が活躍した時代でもありました。
長くなりましたが、「コーヒーカンタータ」の原文です。
Ⅰ Rezitativ:Tenor Ⅰ レチタティーヴォ:テノール
continuo 通奏低音
Erzähler:
Schweigt stille, plaudert nicht
Und höret, was itzund geschicht:
Da kommt Herr Schlendrian
Mit seiner Tochter Liesgen her,
Er brummt ja wie ein Zeidelbar;
Hört selber, was sie ihm getan!
Ⅱ Aria:Baß Ⅱ アリア:バス
violino Ⅰ/Ⅱ、viola、continuo ヴァイオリンⅠ/Ⅱ、ヴィオラ、通奏低音
Schlendrian:
Hat man nicht mit seinen Kindern
Hunderttausend Hudelei!
Was ich immer alle Tage
Meiner Tochter Liesgen sage,
Gehet ohne Frucht vorbei.
Ⅲ Recitativ:Baß、Sopran Ⅲ レチタティーヴォ:バス、ソプラノ
continuo 通奏低音
Schlendrian:
Du böses Kind, du loses Mädchen,
Ach! wenn erlang ich meinen Zweck:
Tu mir den Coffee weg!
Liesgen:
Herr Vater, seid doch nicht so scharf!
Wenn ich des Tages nicht dreimal
Mein Schälchen Coffee trinken darf,
So werd ich ja zu meiner Qual
Wie ein verdorrtes Ziegenbratchen.
Ⅳ Aria:Sopran Ⅳ アリア:ソプラノ
flauto traverso、continuo フルート・トラヴェルソ、通奏低音
Liesgen:
Ei! wie schmeckt der Coffee süßse,
Lieblicher als tausend Küusse,
Milder als Muskatenwein.
Coffee, Coffee muss ich haben,
Und wenn jemand mich will laben,
Ach, so schenkt mir Coffee ein!
Ⅴ Recitativ:Baß、Sopran Ⅴ レチタティーヴォ:バス、ソプラノ
continuo 通奏低音
Schlendrian:
Wenn du mir nicht den Coffee lässt,
So sollst du auf kein Hochzeitfest,
Auch nicht spazierengehn.
Liesgen:
Ach ja!
Nur lasset mir den Coffee da!
Schlendrian:
Da hab ich nun den kleinen Affen!
Ich will dir keinen Fischbeinrock
nach itzger Weite schaffen.
Liesgen:
Ich kann mich leicht darzu verstehn.
Schlendrian:
Du sollst nicht an das Fenster treten
Und keinen sehn vorubergehn!
Liesgen:
Auch dieses; doch seid nur gebeten
Und lasset mir den Coffee stehn!
Schlendrian:
Du sollst auch nicht von meiner Hand
Ein silbern oder goldnes Band
Auf deine Haube kriegen!
Liesgen:
Ja, ja! nur lasst mir mein Vergnügen!
Schlendrian:
Du loses Liesgen du,
So gibst du mir denn alles zu?
Ⅵ Aria:Baß Ⅵ アリア:バス
continuo 通奏低音
Schlendrian:
Mädchen, die von harten Sinnen,
Sind nicht leichte zu gewinnen.
Doch trifft man den rechten Ort,
O! so kömmt man glücklich fort.
Ⅶ Recitativ:Baß、Sopran Ⅶ レチタティーヴォ:バス、ソプラノ
continuo 通奏低音
Schlendrian:
Nun folge, was dein Vater spricht!
Liesgen:
In allem, nur den Coffee nicht.
Schlendrian:
Wohlan! so musst du dich bequemen,
Auch niemals einen Mann zu nehmen.
Liesgen:
Ach ja! Herr Vater, einen Mann!
Schlendrian:
Ich schwöre, dass es nicht geschicht.
Liesgen:
Bis ich den Coffee lassen kann?
Nun! Coffee, bleib nur immer liegen!
Herr Vater, hört, ich trinke keinen nicht.
Schlendrian:
So sollst du endlich einen kriegen!
Ⅷ Aria:Sopran Ⅷ アリア:ソプラノ
violinoⅠ/Ⅱ、viola、cembalo、continuo ヴァイオリンⅠ/Ⅱ、ヴィオラ、チェンバロ、通奏低音
Heute noch,
Lieber Vater, tut es doch!
Ach, ein Mann!
Wahrlich, dieser steht mir an!
Wenn es sich doch balde fügte,
Dass ich endlich vor Coffee,
Eh ich noch zu Bette geh,
Einen wackern Liebsten kriegte!
Ⅸ Rezitativ:Tenor Ⅸ レチタティーヴォ:テノール
continuo 通奏低音
Erzähler:
Nun geht und sucht der alte Schlendrian,
Wie er vor seine Tochter Liesgen
Bald einen Mann verschaffen kann;
Doch, Liesgen streuet heimlich aus:
Kein Freier komm mir in das Haus,
Er hab es mir denn selbst versprochen
Und rück es auch der Ehestiftung ein,
Dass mir erlaubet möge sein,
Den Coffee, wenn ich will, zu kochen.
Ⅹ Chor(Terzett):Sopran、Sopran、Baß Ⅹ 合唱(三重唱):ソプラノ、テノール、バス
flauto traverso、violinoⅠ/Ⅱ、viola、continuo フルート・トラヴェルソ、ヴァイオリンⅠ/Ⅱ、ヴィオラ、通奏低音
Die Katze lässt das Mausen nicht
Die Jungfern bleiben Coffeeschwestern.
Die Mutter liebt den Coffeebrauch,
Die Großmama trank solchen auch,
Wer will nun auf die Töchter lästern!
難しくはないので、訳してご覧になってください。
父と娘、語り手の3人だけが登場人物です。
父親は何とかして娘のコーヒー好きを
止めようとしますが。。。
動画で見る限り、娘さんはコーヒー中毒のようですね。
当時のドイツ、ライプツィヒではコーヒー依存症が多く、
社会問題にまでなったのだとか。
私も毎日飲みますが、依存症かしら。
美味しそうな、沢山のコーヒー・コメントをいただきました。
それで、今日はコーヒーが主役の、
バッハの「コーヒー・カンタータ」を行ってみますね。
先ずはコーヒーの歴史から;
コーヒーの語源はアラビア語でqahā (in arabo: قها, "mancanza di fame")が、
Qahwahとなり、トルコ・オットマーナ語kahve カーベとなりました。
10世紀の頃に自然発生していたコーヒーをエチオピア人が発見!
コーヒーの伝説;エチオピアのKaldiというヤギ飼いが、ある日、
コーヒーの木を見つけ、
ヤギたちがコーヒーの実と葉を齧り食べ始めました。
夜になりヤギたちは眠る時刻になっても、眠るどころか、
生き生きとエネルギッシュに辺りをさまよい始めました。
山羊飼いは、これはコーヒーの木のためだと、
この実を焼いて砕き、蒸して飲み始めたのがコーヒーの始まりだ、
という伝説だそうです。
エチオピア人、そしてペルシア人、イエメン人も飲み始めました。
より良い品質のコーヒーはイエメンのMokha と推測されます。
15世紀にはダマスカス、カイロ、イスタンブールにまで普及しました。
トルコを旅したフランシス・ベーコンがコーヒー屋さん(カフェ)に座って、
コーヒーを飲むトルコ人たちを記しています。
ヨーロッパにも広まったコーヒーの木が植えられたのは、
ドイツの植物学者によって最初でした。
コーヒーは、しかし亜熱帯地域でなければ良く育たなかったでしょうね。
イタリア、ヨーロッパに広く普及させたのは、
中近東地域とビジネス関係を結んでいたヴェネツィア共和国です。
1645年に、コーヒー・ショップ、カフェが、
初めてヴェネツィアに生まれました。
1651年、イギリスで輸入が始まったコーヒー、
コーヒーハウスは59軒から始まり、
1715年には何とロンドンだけで3000軒以上に増えました。
当時、ロンドン、パリではコーヒー一杯が40スクーディだったそうです。
最初のコーヒー・プランテーション(大量栽培)で
有名なブラジルは複雑な国で、先ず、
ポルトガルの植民地でしたが、
スペインがポルトガルを併合してブラジルはスペイン領となりました。
オランダもブラジルの1地域を領有しましたが、
ポルトガルが独立を回復し、全地域を奮回しました。
ですから、彼らの言葉は今日でもポルトガル語ですね。
18世紀前半には、大変なスピードで、
栽培が中央アメリカ、南アメリカ大陸に広まって行ったのです。
コーヒーの木で有名なのは、
アラビカ、ロブスタ、リベリカ、エクセルサなどですね。
ここまで、知識のお披露目、半可通、
知ったかブログになってしまいました。
田辺聖子がエッセイの中で、
「知識があるというのは決して偉いこと、秀でたことではない。
知識は本によって、誰かによって得たもので、
生まれた時から知っていたわけではない。
知識、知に対して謙虚であるべきだ」
これはその通りと、共鳴いたします。
で、まだ″知ったか″が続きます。
広く、奥深い知識は個人的にお調べください。
14世紀フィレンツェから始まり西欧世界に広まった、
ギリシャ、ローマの古典文化復興運動は、ルネッサンスと言われ、
神の視点から人間の視点へ。
16世紀、バロック時代まで続きます。
簡素だったルネッサンス様式とは反対に絢爛豪華で、
金や色大理石をふんだんに使い、曲線美が特徴のバロック様式。
やはりイタリア・ローマ誕生ということで、
有名どころはボロミーニという建築家、それからベルニーニ。
ベルニーニのローマのモンテチトーリオ宮殿が代表建築ですね。
絵画のカラヴァッジョが当時の代表的画家です。
音楽に於いてはバロック時代と認定されるのは、
ヴェネツィアのヴィヴァルディで、
彼はヴァイオリンの名手でしたが、
チェンバロはバロック時代の主要な楽器です。
ヴィヴァルディも勿論、バロック代表選手なのですが、
バロックといいますと何と言ってもJ.S.バッハでしょう。
ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685~1750)
彼は、カッチーニやカリッシミ、フレスコバルディなどの音楽を集結、
単に纏め上げただけとも言われたりしますが、
精神の深さでは他の追随を許さない、と明言します。
(他のバロック作曲家も素晴らしいとは感嘆しています)
バッハは「俺はバロック時代の音楽を書いている」
とは思わなかったでしょう。
バロック時代という言葉は後世の人々が位置づけて
名付けた言葉だから。
バロック音楽は1600年ごろから1750年まで、
J.S.バッハの昇天まで続きます。
バロック音楽の最高峰バッハが、
″音楽の父″と謂われるのは他の理由からですが、
ここでは、世俗カンタータの、
「Kaffeekantate」 Caffè Cantata コーヒー・カンタータを。
バッハもコーヒーが大好きでした!
取り合えず、コーヒーカンタータをリンクいたします。
カンタータは本来、演技なしですが、
このコーヒーカンタータは現代風アレンジのもと、演技しています。
Bach - Kaffeekantate: Schweigt stille, plaudert nicht BWV 211 - Sato | Netherlands Bach Society
訳したり説明(お喋り)したりは、後ほどになりますのですが、
悪しからず。
カンタータのことなど;
カンタータを遡るとマドリガーレに行き着きます。
アレッサンドロ・グランディという音楽家が、1620年に、
独唱と通奏低音の曲を作り、カンターデとし、
中世マドリガーレ、ルネッサンスマドリガーレは17世紀に入って
カンタータに取って代わられました。
Cantare 歌う、ですね。Cantare→ Cantata
後に、ボロンチーニという人が、
室内カンタータなんてのを作りまして、
アリア、レチタティーヴォ、重唱、合唱に
様々な楽器による伴奏付けがされて、
賑やかになりました。
ドイツでは教会カンタータが発展しました。
通奏低音(ゲネラルバス)は、バロック音楽の重要な役割を果たします。
高音部を支える「低音の魅力」を、
この頃から既に作曲家は感じ取っていたのでしょうね。
通奏低音は主にヴィオラ・ダ・ガンバ(足で抱えてチェロのように弾く)で
演奏され、その後、チェロで奏されます。
この動画はチェロでの通奏低音です。
バロック時代の日本をちょっと覗いて見ましょうか。
バロック時代が始まる1600年(頃)
1603年、日本では戦国時代で、関ケ原の戦いが終わり、
徳川征夷大将軍家康が江戸に幕府を開いた頃です。
バッハ生まれたのは、1685年、
日本では、
1680年から始まる綱吉将軍の時代ですね。
動物を愛した綱吉将軍は、
1687年に生類憐みの令を発令しました。
その後、吉宗、家重将軍と続きます。
コーヒーカンタータが作られた時代は1732~1733年
1732年は享保の大飢饉の、悲しい年ですが、
1733年には杉田玄白が生まれました。
ザッと見渡しますと、
バッハの生きた時代には、日本では元禄文化が隆盛で、
井原西鶴、1689年に松尾芭蕉、「奥の細道」の完成、
近松門左衛門「曾根崎心中」を著わすなど、
芸術家が活躍した時代でもありました。
長くなりましたが、「コーヒーカンタータ」の原文です。
Ⅰ Rezitativ:Tenor Ⅰ レチタティーヴォ:テノール
continuo 通奏低音
Erzähler:
Schweigt stille, plaudert nicht
Und höret, was itzund geschicht:
Da kommt Herr Schlendrian
Mit seiner Tochter Liesgen her,
Er brummt ja wie ein Zeidelbar;
Hört selber, was sie ihm getan!
Ⅱ Aria:Baß Ⅱ アリア:バス
violino Ⅰ/Ⅱ、viola、continuo ヴァイオリンⅠ/Ⅱ、ヴィオラ、通奏低音
Schlendrian:
Hat man nicht mit seinen Kindern
Hunderttausend Hudelei!
Was ich immer alle Tage
Meiner Tochter Liesgen sage,
Gehet ohne Frucht vorbei.
Ⅲ Recitativ:Baß、Sopran Ⅲ レチタティーヴォ:バス、ソプラノ
continuo 通奏低音
Schlendrian:
Du böses Kind, du loses Mädchen,
Ach! wenn erlang ich meinen Zweck:
Tu mir den Coffee weg!
Liesgen:
Herr Vater, seid doch nicht so scharf!
Wenn ich des Tages nicht dreimal
Mein Schälchen Coffee trinken darf,
So werd ich ja zu meiner Qual
Wie ein verdorrtes Ziegenbratchen.
Ⅳ Aria:Sopran Ⅳ アリア:ソプラノ
flauto traverso、continuo フルート・トラヴェルソ、通奏低音
Liesgen:
Ei! wie schmeckt der Coffee süßse,
Lieblicher als tausend Küusse,
Milder als Muskatenwein.
Coffee, Coffee muss ich haben,
Und wenn jemand mich will laben,
Ach, so schenkt mir Coffee ein!
Ⅴ Recitativ:Baß、Sopran Ⅴ レチタティーヴォ:バス、ソプラノ
continuo 通奏低音
Schlendrian:
Wenn du mir nicht den Coffee lässt,
So sollst du auf kein Hochzeitfest,
Auch nicht spazierengehn.
Liesgen:
Ach ja!
Nur lasset mir den Coffee da!
Schlendrian:
Da hab ich nun den kleinen Affen!
Ich will dir keinen Fischbeinrock
nach itzger Weite schaffen.
Liesgen:
Ich kann mich leicht darzu verstehn.
Schlendrian:
Du sollst nicht an das Fenster treten
Und keinen sehn vorubergehn!
Liesgen:
Auch dieses; doch seid nur gebeten
Und lasset mir den Coffee stehn!
Schlendrian:
Du sollst auch nicht von meiner Hand
Ein silbern oder goldnes Band
Auf deine Haube kriegen!
Liesgen:
Ja, ja! nur lasst mir mein Vergnügen!
Schlendrian:
Du loses Liesgen du,
So gibst du mir denn alles zu?
Ⅵ Aria:Baß Ⅵ アリア:バス
continuo 通奏低音
Schlendrian:
Mädchen, die von harten Sinnen,
Sind nicht leichte zu gewinnen.
Doch trifft man den rechten Ort,
O! so kömmt man glücklich fort.
Ⅶ Recitativ:Baß、Sopran Ⅶ レチタティーヴォ:バス、ソプラノ
continuo 通奏低音
Schlendrian:
Nun folge, was dein Vater spricht!
Liesgen:
In allem, nur den Coffee nicht.
Schlendrian:
Wohlan! so musst du dich bequemen,
Auch niemals einen Mann zu nehmen.
Liesgen:
Ach ja! Herr Vater, einen Mann!
Schlendrian:
Ich schwöre, dass es nicht geschicht.
Liesgen:
Bis ich den Coffee lassen kann?
Nun! Coffee, bleib nur immer liegen!
Herr Vater, hört, ich trinke keinen nicht.
Schlendrian:
So sollst du endlich einen kriegen!
Ⅷ Aria:Sopran Ⅷ アリア:ソプラノ
violinoⅠ/Ⅱ、viola、cembalo、continuo ヴァイオリンⅠ/Ⅱ、ヴィオラ、チェンバロ、通奏低音
Heute noch,
Lieber Vater, tut es doch!
Ach, ein Mann!
Wahrlich, dieser steht mir an!
Wenn es sich doch balde fügte,
Dass ich endlich vor Coffee,
Eh ich noch zu Bette geh,
Einen wackern Liebsten kriegte!
Ⅸ Rezitativ:Tenor Ⅸ レチタティーヴォ:テノール
continuo 通奏低音
Erzähler:
Nun geht und sucht der alte Schlendrian,
Wie er vor seine Tochter Liesgen
Bald einen Mann verschaffen kann;
Doch, Liesgen streuet heimlich aus:
Kein Freier komm mir in das Haus,
Er hab es mir denn selbst versprochen
Und rück es auch der Ehestiftung ein,
Dass mir erlaubet möge sein,
Den Coffee, wenn ich will, zu kochen.
Ⅹ Chor(Terzett):Sopran、Sopran、Baß Ⅹ 合唱(三重唱):ソプラノ、テノール、バス
flauto traverso、violinoⅠ/Ⅱ、viola、continuo フルート・トラヴェルソ、ヴァイオリンⅠ/Ⅱ、ヴィオラ、通奏低音
Die Katze lässt das Mausen nicht
Die Jungfern bleiben Coffeeschwestern.
Die Mutter liebt den Coffeebrauch,
Die Großmama trank solchen auch,
Wer will nun auf die Töchter lästern!
難しくはないので、訳してご覧になってください。
父と娘、語り手の3人だけが登場人物です。
父親は何とかして娘のコーヒー好きを
止めようとしますが。。。
動画で見る限り、娘さんはコーヒー中毒のようですね。
当時のドイツ、ライプツィヒではコーヒー依存症が多く、
社会問題にまでなったのだとか。
私も毎日飲みますが、依存症かしら。

Guten Tag!
見ました!見ました!聞きました!
コーヒー・カンタータと農民カンタータは、
世俗カンタータで、とっても楽しいとは聞いてましたが、
見ていて楽しいです。
バッハがコーヒー好きっていうのは初耳です。
何年か前に、おばさんがブログでベートーヴェンの
コーヒー好きをお話していました。
ハイドンも好きだったのですよね。
バッハも好きだったとは!ねえ!!
それだけ流行ってたのでしょうね。
Youtube、完璧には聞き取れず、
訳しのテキストを見てみました。
おばさんの訳も楽しみに待ってます!
コーヒー・カンタータと農民カンタータは、
世俗カンタータで、とっても楽しいとは聞いてましたが、
見ていて楽しいです。
バッハがコーヒー好きっていうのは初耳です。
何年か前に、おばさんがブログでベートーヴェンの
コーヒー好きをお話していました。
ハイドンも好きだったのですよね。
バッハも好きだったとは!ねえ!!
それだけ流行ってたのでしょうね。
Youtube、完璧には聞き取れず、
訳しのテキストを見てみました。
おばさんの訳も楽しみに待ってます!
こんばんわんこ
実は持ってるんですよ、このCD.
エリー・アメリング、
ジークムント・ニムスゲルン
ジェラルド・イングリッシュ
指揮ラインハルト・ペータース
コレギウム・アウレウム合奏団
211番コーヒーと
202番の結婚カンタータでっす。
久しぶりで聞きました。
おばさんがリンクした動画も見ました。
音楽と一致して、よく解って、最高!です。
エリー・アメリング、
ジークムント・ニムスゲルン
ジェラルド・イングリッシュ
指揮ラインハルト・ペータース
コレギウム・アウレウム合奏団
211番コーヒーと
202番の結婚カンタータでっす。
久しぶりで聞きました。
おばさんがリンクした動画も見ました。
音楽と一致して、よく解って、最高!です。
お早うございます
コメントをどうも有り難うございます、
Flügelさん、通航人Yさん。
コーヒーカンタータと言われていますが、
本来のタイトルは
「お静かに、お喋りはしないで」
語り手の、この言葉からカンタータが始まります。
結婚カンタータも同じく
「退け、悲しい影」というタイトルでした。
ギリシャの神々の愛のお話ですね。
バッハのカンタータ200曲あまりのうちの、
20曲が世俗カンタータです。
ご存知の通りですね。
エリー・アメリングは来日をしました(随分と昔)
オペラは決して歌いませんでしたよね。
手元には彼女の録音はないですけれど、
美声は耳に残っています。
Flügelさん、通航人Yさん。
コーヒーカンタータと言われていますが、
本来のタイトルは
「お静かに、お喋りはしないで」
語り手の、この言葉からカンタータが始まります。
結婚カンタータも同じく
「退け、悲しい影」というタイトルでした。
ギリシャの神々の愛のお話ですね。
バッハのカンタータ200曲あまりのうちの、
20曲が世俗カンタータです。
ご存知の通りですね。
エリー・アメリングは来日をしました(随分と昔)
オペラは決して歌いませんでしたよね。
手元には彼女の録音はないですけれど、
美声は耳に残っています。
Guten Morgen!
コーヒーカンタータのテキストを見ると、
難しくはないですね。
ドイツ語をかじった人なら、辞書を引きながら
すぐに訳せるのじゃないですか。
Ⅰ 語り手 テノール
静かに、お喋りせずに、これから何が始まるのか
聞いてください。
シュレンドリアン氏が娘のリースヒェンと一緒に
やって来ましたよ。シュレンドリアン氏は、
蜜を舐める熊のようにうなっています。
娘が父に何をしたか、聞いてください。
✕まであるけれど、大ざっぱな訳し方で、
番号に合わせて訳しません。
父は(バス・バリトン)は娘と(ソプラノ)と
言い合いしながら登場します。
「子供なんてしょうもない。何を言っても
どこかに行ってしまって効果なし。
とにかくコーヒーをやめなさい」
「お父さん、一日三度のコーヒーを飲むだけよ。
それができないならヤギの焼肉になってしまう」
娘のアリア 「コーヒーの何て美味しいこと
千の口づけよりもマスカットワインよりも」
「ヤンチャ娘よ、お前がコーヒーを止めないなら、
結婚パーティも散歩も禁じる。
クジラの骨で膨らませたドレスを着るのも、
通行人を眺めるのも。
帽子飾りのリボンを着けるのも」
「いいわよ、私の楽しみを残しておいてくれるなら」
「父の言うことを聞きなさい」
「コーヒーだけはダメよ」
「それなら夫を持たないことも受け入れるね」
「夫を!じゃあ、コーヒーを止めるわ」
「お父さん、私に似合う人を探してね」
シュレンドリアン氏は娘の夫を探しに行きました。
しかしリースヒェンは、
「こんな求婚者は私の家に入れない。
結婚契約書に次のことを書かなければ。
『私が好きな時にコーヒーを入れることを
許す』という約束しなければ」と、
密かに言いふらします。
ラスト 三重唱
ネコはネズミを見逃さない。
娘たちもコーヒーを見逃さない。
お母さんもおばあちゃんも。
じゃ、誰が娘をとがめるのでしょうか!
以上、こんな風です。
難しくないですね。
お邪魔しました。
久しぶりに肩の力を抜くことができるテキストでしたあ。
難しくはないですね。
ドイツ語をかじった人なら、辞書を引きながら
すぐに訳せるのじゃないですか。
Ⅰ 語り手 テノール
静かに、お喋りせずに、これから何が始まるのか
聞いてください。
シュレンドリアン氏が娘のリースヒェンと一緒に
やって来ましたよ。シュレンドリアン氏は、
蜜を舐める熊のようにうなっています。
娘が父に何をしたか、聞いてください。
✕まであるけれど、大ざっぱな訳し方で、
番号に合わせて訳しません。
父は(バス・バリトン)は娘と(ソプラノ)と
言い合いしながら登場します。
「子供なんてしょうもない。何を言っても
どこかに行ってしまって効果なし。
とにかくコーヒーをやめなさい」
「お父さん、一日三度のコーヒーを飲むだけよ。
それができないならヤギの焼肉になってしまう」
娘のアリア 「コーヒーの何て美味しいこと
千の口づけよりもマスカットワインよりも」
「ヤンチャ娘よ、お前がコーヒーを止めないなら、
結婚パーティも散歩も禁じる。
クジラの骨で膨らませたドレスを着るのも、
通行人を眺めるのも。
帽子飾りのリボンを着けるのも」
「いいわよ、私の楽しみを残しておいてくれるなら」
「父の言うことを聞きなさい」
「コーヒーだけはダメよ」
「それなら夫を持たないことも受け入れるね」
「夫を!じゃあ、コーヒーを止めるわ」
「お父さん、私に似合う人を探してね」
シュレンドリアン氏は娘の夫を探しに行きました。
しかしリースヒェンは、
「こんな求婚者は私の家に入れない。
結婚契約書に次のことを書かなければ。
『私が好きな時にコーヒーを入れることを
許す』という約束しなければ」と、
密かに言いふらします。
ラスト 三重唱
ネコはネズミを見逃さない。
娘たちもコーヒーを見逃さない。
お母さんもおばあちゃんも。
じゃ、誰が娘をとがめるのでしょうか!
以上、こんな風です。
難しくないですね。
お邪魔しました。
久しぶりに肩の力を抜くことができるテキストでしたあ。
Flügelさん、
翻訳、どうも有り難うございます。
実は1語1語、訳そうと思っていましたが、
こういう訳し方の方がいいですよね。
大まかに訳して解れば、その方が
いいですものね。
トピックにUpしますね。
どうも有り難う。
Vielen Dank!
Grazie tante!
実は1語1語、訳そうと思っていましたが、
こういう訳し方の方がいいですよね。
大まかに訳して解れば、その方が
いいですものね。
トピックにUpしますね。
どうも有り難う。
Vielen Dank!
Grazie tante!